2018年10月25日木曜日

2つの顔を持つ白蛇

個人的にメタル系バンドの中ではトップクラスの大ファンだ。そしてそれは何と言っても『Serpens Albus』があまりにも凄いアルバムだったからだ。ギターは全曲コピーし、結構難しいので一生懸命練習したし、組んだバンドでも下手クソながら何曲もトライした。メンバーの見た目もゴージャスだったし、バブルで浮かれていた80年代にピッタリの象徴するようなバンドで、今でもあの楽しかった時代を思い出すように(?)しょっちゅう聴いている。
最近30周年記念盤が出た。内容に賛否あるようだが、私は楽しんで聴いている。

89年に次なるアルバム『Slip of the Tongue』が出た。エイドリアンはVandenberg時代から大好きなギタリストだったので、スティーヴ・ヴァイは不安だったものの、期待度は最大級だった。しかし、結果は「?」。何度も聴いているうちに好きな曲もたくさん出来たが、前作に比べると3分の1かそれ以下だ。
これは全部スティーヴ・ヴァイのせいだと思うことにして、更に次作、97年の『Restless Heart』も今ひとつだったので、結局『Serpens』はジョン・サイクスが偉大だったのね、という風に考えるようになった。

そういう意味で、サイクスの89年の『Blue Murder』は『Serpens』の続編として一番近い感じに位置づけられるし、恐らくサイクス自身、「あのアルバムを作ったのは俺だーー!」と言いたくて録音したのだろう。ヴォーカルも自身でとって、歌も上手いことに驚いたものだが、ただ、やはりヴォーカリストという点ではデイヴィッドが数段上だ。
それに、『Slip of the Tongue』や『Restless Heart』、Coverdale Page等を聴いていると、ギター大好きな私だが、デイヴィッドの歌にもかなり魅かれていることに気がつく。

ギタリストが曲を作ると、すぐに曲の構成がどうとか、コードが、ソロが、と細部に気がいってしまいがちだが、ボスがヴォーカルだと曲を客観的に見て、一般に良いと思われるような感じに仕上がるように思う。その点でこのバンドは結局デイヴィッドの影響によるものが大きいんだろうと思う。

それからもう一つ重要な点。
ずっとメタル・バンドのWhitesnakeが大好きで、古い時代の曲も知っていたが、それほど関心はなかった。別バンドというか、ダサい時代のWhitesnakeという感じ。ミッキー・ムーディやバーニー・マースデンもたんなる田舎者のローテク・ギタリストとしか見ていなかった。
ところが、年のせいか、最近初期Whitesnakeの素晴らしさに目覚めてしまった。自分でもビックリだ。初期ギタリストの評価も180度変わってしまった。『Snakebite』や『Trouble』が大好きだ。『Serpens』と違うのは明らかだが、どっちが良いかと言われても答えられない。どちらも凄いと思う。いわば「一粒で2度おいしいバンド」という感じ。
「British Whitesnake」と「American Whitesnake」という2つの顔があるわけだが、こういうタイプのバンドは珍しい。アメリカは巨大な市場なので、売り上げ的にはアメリカの方がずっと大きいことになるが、BeatlesにしろStonesにしろ、アメリカのバンドとは言わない。Def Leppardなんかはちょっとソレっぽいが、Whitesnakeほどではない。

今、改めて最初からのすべての曲をジックリと聴き直している。新しい発見があるから楽しいし、バンドを見る目も少し変わったように思う。
それをこれから書いていこうと思う。

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